革 Leather
生き物の数だけ革がある。とは言い過ぎでしょうか。
もちろん全てを公開することはできませんが、一般的に使われているものだけでもかなりの数に上ります。
そんな革たちの世界へ!



牛 Cattle hide
「革」と言えばまずはこれでしょう!
あらゆる皮革の中で、最も有名な牛革。耐久性や強度に優れているため、様々な素材として使用される。
日本では国内で加工する原皮の80%以上を輸入に頼っている。

カーフ Calf
生後6ヶ月くらいまでの仔牛から作られる革。薄くしなやかで傷も少ないため、牛革の中でも最高級品と言われる。

ベビーカーフ Baby calf
胎児~生後3ヶ月までの仔牛をタンニンでなめしたもの。非常に薄く、光沢のある革。

ハラコ Unborn calf
胎児~生まれて間もない仔牛の毛皮。あまり出回ることがない。

キップ Kip
生後6ヶ月~2年くらいまでの牛皮を日本ではキップと呼ぶ。カーフより厚く強度がある。
ヨーロッパなどでは区別されない。

ブル Bull
去勢されずに生後3年以上経った繁殖用の雄の牛皮。主に靴底や工業用に使用される。

地生 Jinama
国内産の牛皮のこと。輸入原皮と比べて傷も少なく状態が良い。

ステア Steer
生後3ヶ月~6ヶ月の間に去勢され、生後2年以上経った雄の革。最も広く利用されている。

カウ Cow
生後2年くらいでお産を済ませた雌の革。お産をしていない雌牛の革はカルビンと呼ばれる。

水牛 Buffalo
高級素材として扱われる。水に対して耐性がある。



馬 Horse hide
艶やかで柔らかな革。
牛革と比べキメが粗くしなやかさに劣るが、柔らかい。
コードバンと呼ばれる革は、特にキメの細かいお尻部分で、丈夫で傷が付きにくく、光沢が非常に美しい。

ポニー Pony
小型の馬ポニーの革は非常に柔らかく軽い。また肌触りが良く値段も手頃。

コードバン Cordovan
馬のお尻部分をタンニンでなめした革。毛穴がなく繊維も非常に細かい。また傷もなく非常に美しい光沢を放つ。丈夫で美しいため、高級素材として扱われる。



豚 Pig skin
独特のシボを持つ革。
日本で唯一自給自足できる革で、原皮やなめし皮は世界中に輸出されている。
毛穴の並びが特徴的で、摩擦に強く通気性があり軽くて丈夫。

チンギアーレ Cinghiale
猪豚の革のことで、ヨーロッパでは高級素材として知られる。豚革同様、耐摩耗性と通気性に優れ軽いが、毛穴は目立たない。

ペッカリー Peccary
中南米原産の野生動物で、猪や野豚の一種。猪よりひとまわり小さい。豚革は3つの毛穴が集中して並ぶが、こちらは5つの毛穴が並ぶのが特徴。伸縮性や吸湿性に優れる。



鹿 Deer skin
野生の鹿が多かった日本では、古来より色々なものに活用されてきた。
柔らかく耐水性に優れ、濡れても変質しにくい。
カモシカの革を油でなめして仕上げたものをセーム革と呼ぶ。

トナカイ Reindeer
雌雄ともに角があり、隊長は2mと大きい。なめしは特別な製法で行われる。革は鹿革同様丈夫で柔らかく、高級感ある独特のシボを持つ。

スプリングボック Springbok
南アフリカに生息する草食動物。希少価値が高い。

ロシアンカーフ Russian calf
幻の革と謳われるロシアンカーフは、レインディアの皮を特殊な技術でなめしたもの。
ロシア革命後その技術は失われてしまった。しかし1786年にイギリス沖合いで沈んだ船に革が積んであり、1973年、遂にその革が発見され、約200年の時を経て奇跡的に甦った。非常に希少。



羊 Sheep skin
羊皮はヤンピと呼ばれ、種類や特徴が多い。大きく分けると2種に分かれ、巻縮した毛を持つウールシープは繊維の絡みが少なく柔軟で、真っ直ぐな毛を持つヘアシープは強度に優れているとされる。
山羊革よりもさらに柔らかく薄い。更に毛穴も小さいため、手袋やブーツなどの防寒材料として利用されることが多い。
生後1年以内の仔羊はラムスキンと呼ばれる。



山羊 Goat skin
成長した山羊は銀面に独特のシボがあり、整然と並んだ毛穴に特徴がある。
耐摩耗性に優れ、羊革より強くやや硬めの革。

キッドスキン Kid skin
成長した山羊のゴートスキンに対して仔山羊のキッドスキンはキメが美しく柔らかい。
軽くて丈夫、更には染織時の発色も良い。



カンガルー Kangaroo
オーストラリアから輸入される高級素材として珍重される。
野生であるためほとんどのものにキズがあり、キズなしは最高級品として非常に高価。供給量自体が少ないため、無傷のものは滅多にお目にかかることができない。
薄手でキメが細かく丈夫、更には柔らかくて軽い。